こんにちは。
@pooh_1960です。
Twitter(ツイッター)、Facebook(フェイスブック)など、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は基本的には個人的なもの、です。
メールにしてもそうなのですが、自立した個人が、アカウントを取得し、利用する、もの。
私のような個人事業主、フリーランスであれば、個人の意志、責任において、そのアカウントを仕事と関連付けて(というより、プライベートとビジネスとが不可分なものなのですが…)利用することができます。
個人としての楽しみも、ビジネス上のメリットももちろん享受できますが、一つ間違えば炎上したり、社会的信用が失墜したり、大きなリスクが伴います。
とても片手間にできるものではありません。
SNSが会社をツブす! (双葉新書)
ところが、「SNSでビジネスを加速する」「SNSで売上アップ」などと、セミナーなどでたき付けられた、中小企業の社長さんやら幹部が、自身が理解もせず、社員・部下に運用させる。
「おい、ツイッターくらいやっとけよ!」
「フェイスブックくらいやっとけよ!」
しかも、成果だけは自分自身が理解できる目に見える形のものを求める。
そんな社長や上司に丸投げされて責任だけ負わされる「Twitter担当者になっちまった」「Facebookページ管理者になっちまった」、というビジネスパーソンの福音となるのが、本書「SNSが会社をツブす!」です。
著者 大石哲也氏はキャンペーンプロモーションやWebプロモーションを扱うPR会社の社長さん。
むしろ、SNS利用を企業に売り込む側にある人が、なぜ「SNSが会社をツブす!」という物騒なタイトルの書を記したのか…
その最大の理由は、上司の「ツイッターやっとけよ」という、SNSに対する理解度の低い軽率な一言が、会社を潰してしまうリスクを含んでいるからです。
まさに、わが意を得たり!
SNSの特徴とそのリスク、企業としてSNSに取り組む心構え、運用体制、運用方法まで、事例を元に具体的に記された良書です。
企業のSNS対策による効果と言うものは、企業全体のSNSに対する理解度、すなわちインターネット上でのコミュニケーション能力を意味する「SNS偏差値」と、担当者の意識(モチベーション)に比例する。
金もあり人もいる大企業ではなく、中小企業の「SNS偏差値」の低い社長・上司のもとで働く担当者には心強い言葉。
企業のPR活動に関する理解度が、日本に比べて数年進んでいるアメリカでは、PR活動により得られた情報の露出を「広告費に換算してはならない」というスタンスで調整が進められている。
(中略)
判断基準が必要ならば広告費換算ではなく、誰に、どのような内容で、どれくらいの頻度で情報が伝わったのかを数値化した基準をつくらなくてはならない。この考え方は企業がSNSを運用する上では必須である。
なるほど、と思いました。日本は3年程遅れているのだそうです。
最終章、第5章は、「明日からSNSを始める担当者へ SNS運用の大変さを会社に知ってもらう方法」と題し
「「SNSくらいやっとけよ」と言う上司に要求すべき3カ条」、とか、「「お前の要求など読めん!」と言われたら」、など実践的なアドバイスがあります。
もちろん、「やっとけよ」と言い放つ側の方にこそ読んで欲しいとは思いますが。それすら理解されるかどうか、という危惧もありすね。