こんにちは。
@OfficeTAKUです。
Scratch(スクラッチ)はプログラミングの入門にはとてもよいプログラミング言語だと思います。
ブロックを組み合わせて行くだけでキャラクターを動かしたり、文字を表示したり、楽しめます。
そんなスクラッチプログラミングを学べるテキストの一つを読んでみました。
『親子でかんたん スクラッチプログラミングの図鑑 (まなびのずかん) 』松下孝太郎・山本光
著者のお二人、松下孝太郎さん、山本光さん、はいずれも大学で教鞭をとるとともにサイエンスライターとしても活躍されている方。
いままでこのブログで取り上げてきたScratch関連の書籍の中では一番高価で分厚い一冊です。
良くも悪くも教科書的、教育的な目線で作らたスクラッチプログラミング本
タイトルに図鑑とある通り内容が豊富でレファレンス的な使い方もできる一冊です。
漢字にはルビが振られているものの、文字も小さく、体系的な教科書という作りであり、とっつきにくく感じる部分もあります。
ちょっと悪い言い方をすれば、お勉強、という目線が強く感じられます。
「親子でかんたん」とありますが、プログラミングに縁のない親御さん・大人、および小学校中低学年の子どもたち、であれば、いきなりこの書籍から始める、というのはあまりおすすめできません。
内容は充実していますが、いきなりこれだと、本の体裁等見ただけで、ちょっと「難しい」と感じて、始められないような気がします。
本書の構成と概略
第1章「プログラミングとは」、というプログラミングの概説とスクラッチについての概要画面構成などです。
スクラッチはダウンロード版2.0を利用することが前提となっています。
この章の最後の「スクラッチの入手方法」という囲みに、ダウンロード先のURLと巻末の付録にダウンロード・インストール方法がる旨、触れられいるのですが、見落としてしまいそう。
もう少しこの部分は目を引くようにしておいた方が、次に進んだ時に戸惑わなくて住むかと思います。
第2章「プログラミングの基本をマスターしよう」、第3章「プログラミングの世界を楽しもう」は、スプライトを動かしたり背景を替えたりといったScratch操作の導入部分。
第4章〜第6章は実際にゲームを作成しながらのスクラッチプログラミングを学んで行きます。
第4章「かんたんなゲームを作ってみよう」、第5章「ミニゲームの作り方を学ぼう」、第6章「本格的なゲームを作ろう」というそれぞれの章題の通り、章が進むにつれてゲームの内容プログラミングも高度になっていきます。
第7章「教材をつくってみよう」では、国語「絵本を作ってみよう」、算数「計算ドリルを作ってみよう」、理科「月の満ち欠けのしくみ」、図工「名画を鑑賞しよう」、音楽「曲を作ってみよう」のそれぞれの教科の内容に合わせたプログラムづくりが紹介されています。
第8章は「アルゴリズムを学ぼう」でプログラミングの基本的なアルゴリズム、必要な用語の概念についてスクラッチを操作して学べるよう、解説されています。
アルゴリズムという言葉の定義が省かれているので、ちょっと戸惑うかもしれません。
リストを乱数を発生させるなどしてそれを探索する、線形探索(リニアサーチ)とが紹介されていますが、それがサーチ(探索)のアルゴリズムの一つ、であるということが記述されていません。
「アルゴリズムを学ぼう」といわれても唐突感が否めないのです。
もう一つ残念なことは、この第8章で出てくる用語などは巻末索引には載っていません。
できれば、図鑑という名がつくのであれば、索引に掲載して欲しいと思いました。
『親子でかんたん スクラッチプログラミングの図鑑 (まなびのずかん)』はこんな方におすすめ
操作手順も詳しく書かれているので、ある程度パソコンを使えればそのとおりスクラッチでプログラミングは可能です。
しかし、冒頭にも書いたように、プログラミングに馴染みのない親御さんなどは、この書籍では少しハードルが高い、見ただけで嫌になるかもしれません。
あくまでも私の個人的な見解ですが、本書は次のような方におすすめです。
- 子どもの年齢としては小学校高学年以上
- パソコンそのものやエクセルなどの操作が過不足なくできる大人
- 他のスクラッチ入門書でスクラッチプログラミングを学んだが、もう少し理論的に学びたい方
- 学校でのスクラッチを使った授業のヒントとしたい先生方
それ以外の方は以前、こちらでレビューした書籍などで楽しんだ後、ステップアップをする時に使用する方が良いように思います。
最初は「学校の勉強だから」と考えず、「楽しむ」という姿勢ではじめて欲しいと思います。
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それぞれのステップで適切なテキストを利用するとスクラッチ、プログラミングが楽しくなると思います。